クリスマスデートから帰ってきたら、幼馴染みが豹変してしまいました。



-----たしかにね、ヤる気満々に見える、こんな誤解させるような格好で来たあたしも悪かったよ。



誰でもいいからカレシになってくんないかなーとか思ってたし。


そんなタイミングで卒業してから全然連絡取ってなかったシンゴ先輩に「クリスマス空いてる?」とかラインで聞かれてデートに誘われて、べつにシンゴ先輩のこと好きだったわけじゃないけど、先輩わりとイケメンだったしモテてたから正直まんざらじゃなかったし。

またひとりみじめに家でクリぼっちしてるよりマシじゃん?って思って、「空いてますよ」って絵文字入りで返しちゃったし。



先輩が在学中にあたしのこと口説いてきたことなんて一度もなかったから、べつに先輩もあたしのことが好きで誘ってきたわけじゃないんだろうなーってのは初めっからわかってた。

どうせ先輩もフリーになっちゃって、ぼっちが嫌だから適当に高校時代の後輩に声掛けてきたんだろうって。



でもあたしはオトコからデートに誘われるのは生まれて初めてだったから、わかっててもちょっとドキドキしてしまった。



----大学生ってどんなところにデートに連れてってくれるのかな。
----ひさしぶりに会った先輩、ちょっとオトナになっててときめいちゃったりするのかな。



先週から家でも学校でもそんなこと考えて浮かれてて。


こんな寒いのに、玲奈から『女子力最強』のお墨付きをいただいた脚もろ出しのミニスカなんて穿いちゃって、普段あんまりしないメイクなんかもしちゃって、髪も切りに行って、いつものダウンじゃなくてお気に入りの真っ白なコート着て、調子に乗って気合入れちゃいましたよ。


まだ付き合ってはないけど、もしそういう雰囲気になったら、キスくらいしちゃうのもありかなーとか、そんな甘酸っぱいことも考えていたわけですよ。

クリスマスだしね。そういう胸キュン的な出来事が起きたっていいよねって、夢見るのもいいでしょ?




で、も、さ。




「シンゴ先輩ッ、いきなりラブホとかなんなんですかッ」



< 4 / 29 >

この作品をシェア

pagetop