偽装シンデレラ~続きはオフィスの外で~
稜真さんはわざわざ私と話をする為に第二会議室を借り切った。

「いきなりなんですか?」

「お前…正直に言えよ。お前妊娠してるのか?」

「はぁ?」

「俺の子ではないのは確か。あの新橋で会った男の子供か?」

「私の話を訊いて下さい」

一方的にマシンガンのように喋る稜真さん。

私は声のトーンを大きくして彼の口を止めた。

「田代さん達が言っていた…気分悪そうにして…お手洗いに駆け込んだと」

「それは二日酔いで…気分が悪いから…」

「二日酔い?そんなコトは皆一言も言ってなかったぞ」

「…お手洗いに駆け込んだのは二日酔いですから…誤解しないで下さい」

「本当に二日酔いだな」

「二日酔いです!」

「安心した。妊婦と偽装結婚はさすがに出来ないからな。でも、お前が妊娠していた方が偽装だとはバレないメリットがあるな」

「いずれは離婚するのに…生まれた子供はどうするんですか?」

「それもそうだ。このままでいいか・・・」

お金があれば、こんな男の命令に従うコトもなかった。そうしたら、私は相馬先生と…

相馬先生も考えて見れば御曹司。先生は本気で私に好意を寄せていた。これは私の都合だけど、先生には稜真さんよりも先に告白して貰いたかった。




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