夜蝶と書いて[みるく]と読む
「わ、わかりました...」
「堂々と行って楽しめばいいから!」
あたしの不安を察したのか、ボーイさんは背中を押してくれる。
ボーイさんに連れられてお客さんの元に行くと若そうなお兄さん2人組だった。
「頑張ってね」
と、あたしだけに聞こえるように呟いたボーイさんに笑顔を向けて頷く。
ボーイさんがお客さんに軽くお辞儀をして去っていくのを見届け、あたしはお客さんについた。
「みるくちゃん、今日からなの〜?」
「めっちゃ若くない〜?」
いざお客さんにつくとあたしが抱えてた不安はかき消されていった。
「20歳ですよ〜」
そう言って笑いかけるとお客さんも笑ってくれる。
くだらない話をしたり、ちょっとしたゲームをしたりして接客を終える。
「また来るね!」
その言葉が嬉しかった。