虹色の騎士団
こ、これは、人に見られたら
ヤバい…!!

とにかく、
力を分けてやんねーと…
!!!

体で凛を、ぐいっ!と押して
しっかりと木にもたれかからせる。


凛の正面に移動して、

さあ!いざ…!ってなったはいーけど…

な、なかなか、踏ん切りが…。

「しないのー?
ちゅー♪」

…いつの間にか、
オレ達の横に場所を移動して、

膝を抱え直した未来が

なんかワクワクしてるような声で聞いてくる。

「早くしないとー
人、来ちゃうかもしんないよー?」

「わ、分かってるけどっ!!

そんなに簡単に出来ねーっつーの…!!」

その時、
チャイムの音が聞こえてくる。

やべ…
もーすぐ昼休み終わる!!!

「日向、時間、大丈夫ー?」

「大丈夫じゃない!!…けど…!!」

「もー、日向は照れ屋さんだなぁー。」

そう言うと、
未来は、すっ!と立ち上がる。

オレの横に来て
膝をつき、
素早く凛にキスする。


キスの最中に、凛の髪が
炎が消えていく様に、

すー…っと赤から黒に変わっていく……

唇を離し、オレの方を向いて

未来が、にこーっ♪っと笑う。

「はい、おしまい♪ 」

「…さんきゅー……」

「いえいえー♪

照れ屋な日向も
可愛いよー♪」

キスされて、
力分けてもらっても、
凛は まだ起きない。

「まー、
単に、力が安定するだけで、

眠気覚ましや、栄養剤の代わりにはならないよねー。」

そう言うと、
凛に背中を向けてしゃがむ。

「日向ー、
悪いんだけどー、

凛、おんぶするの
手伝ってくれるー?」

…おんぶ?

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