虹色の騎士団
話ながら耳朶を弄っていた真宵が、いきなり何かに気付いたように、ぱっ!!っと笑顔になり、
先生に指で方向を示し、
オレ達を見る。
………え?!
…こっち見る前に
オレ達が来たのが分かったのか…?
今のはまさに、そんな振り向き方だった。
「…気配を読むっていうのは、ああいう事なんだな…」
オレ同様に驚いてるのは凛で、
兄貴と未来は のほほんと「待ち合わせには便利だねー」とか言い合ってる。
「日向、お早う。
今朝も、綺麗なオーラだね。」
挨拶としては変な単語混ぜながら、
真宵がオレの頬っぺを撫でて、ゆっくり微笑む。
「……行くぞ。」
…先生は挨拶すらなしかよ…。
とにかく、これで全員揃った訳だし、
切符を買い、丁度ホームに滑り込んできた電車に乗り込む。
う…しかし…
朝のラッシュって
こんなに凄いのか…。
学校行く時は徒歩だったから分からなかったけど…。
これに毎朝、乗らなきゃならない人は大変だ…。
この時になって、オレは、ようやく彼方先生が『朝の電車』を嫌がっていた理由を思い知った…。