虹色の騎士団
静寂に包まれた森の中を、1人歩く。

ここは、ホントに清浄な気配に満ちてるんだな…。

月明かりしかない夜の森なのに、『怖い…』なんて少しも思わない。

最も…ここに浮かぶ月は街で見る月より何故か遥かに大きくて、

静かで優しい光は森の中を隅々まで、ほのかに照らし出してくれてる。

…同じ月の筈なのに、場所が変わるとこんなに違うもんなんだな…。

風が吹くと、木々は
まるで、優しい夜の歌を皆で小さく歌ってるみたいに、サワサワと音を奏であう。

少し開けた所にある一番大きな木の近くまで来た時、真宵を見つけた。

朝、見た時と同じ和装のまま。

木の根本で、肩膝を立てて…。

月明かりを浴びながら、1人、空を仰いでいる。

…寂しそうな横顔。

「ここに…いたのか…」

そう声をかけると、ゆっくりとオレを見て、

凄く…愛おしそうな顔で微笑む。

「…捜してくれたの……?

ふふっ…嬉しいな…。

…俺も丁度、キミの事を考え…キミに会いたい、って思ってたんだ……。」


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