虹色の騎士団
「先に手を出したのは舞乙女の方なのに……。

伝説というのは、随分と都合良く出来ているものだ……。

原因を作り出した本人を…

さも、災厄から世界を守る勇者のように崇めるようになるとはね…。

災厄があるから、乙女が転生するんじゃない…。

乙女が転生するから、災厄が現れる…。

…奪われた力を取り戻す為に…。」

…まるで世界が反転したような衝撃だった…。

自分の胸に手を置き、
ぎゅっ…と掴む。

この魂があるから…
災厄は暴れているって言うのか…?

むしろ、加害者はオレ達の方だったたのか…。

足元が…闇にズブリ…と沈み込む…。

カイリがフワリ…と側に来て、
力の抜けたオレの身体を抱きしめ…キスをする。

「現実は辛いだろう…?

……ここで私と共に、夢を見よう…。

楽しい…永遠の夢を…」

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