虹色の騎士団
泥のように柔らかい闇が…
オレの身体を少しずつ飲み込んでいく。

「嬉しいよ、乙女…。

ずっと1人だったが…
これで……。」


カイリの胸に抱かれ、
何度もキスを繰り返されながら…。

温かい眠りに吸い込まれようとした その時。

「日向…惑わされては駄目だ……!!」

耳慣れた声に薄く目を開き、顔を上げる。

真宵が…苦しそうに顔を歪めながら…

「日向……!!!」

それでも力を込めてオレの名前を叫ぶ。

「俺達の力は、夜の虹から与えられたものだ…!!

騙されてはいけない!」


「お前…煩いな……」

カイリが睨み付けると、真宵の身体が
今のオレと同じように闇に沈んでいぐ。


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