虹色の騎士団
「ちょっと…待てよ!!
お前…何やってんだよ!!!」

「…初めから…

こうしていれば良かった……。」

虚無な空を見上げ、寂しく微笑む横顔…。

こいつ…消えるつもりなのか……?

「駄目だ!!」

肩を掴もうとしたオレの手が、
虚夢の力の透けた身体をすり抜ける。

くそ…!!

どうすれば……!!

その時、オレの横に居たカイリが
小さな手を伸ばし、虚夢の力の腕にすがり付いた。

驚いて振り返った虚夢の力を見つめ、カイリは叫んだ。

「カイリと、いっちょ………!!」

虚夢の力は、戸惑うように俯き、呟く。

「……それは……いけない……。

私は……。」

透けた身体に触れないオレは、
代わりにカイリの肩に両手を置き、強く力を込めた声で話す。

「今まで見付けてやれなかった分には全然足りないけど……っ!!

オレが生きてる間は、

ずっとカイリとお前と一緒にいる!!!

…オレ…乙女の力と陽光の力を持ってるけど…

皆みたいに力も上手く操れてなくて!!

だから…、オレを助けてくれよ!!守ってくれよ!!

…お前が必要なんだ!」


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