虹色の騎士団
「いさむちゃんー!!」

カイリが足にすがりついた途端、
勇武が物凄い勢いで振り返った。

オレの知ってる勇武の顔とは違う

…怖くて冷たい、人を寄せ付けないような表情が、
カイリを見つめると、あっという間に崩れ…

そのままゆっくりとオレに向けられた。

「ひ…なたさん…」

呟き、茫然とした表情が、苦し気に歪んでいく…。

…泣き出しそうな辛い顔で、オレを見つめる…。

「………。」

オレは無言で近付き、
勇武の腕を掴んだ。

「…帰ろう。」

「自分…いや…オレ………」

混乱している様子の勇武の腕を
有無を言わさず強く引っ張ると、ようやく身体が少し動く。

「お、おい!!待てよ!
まだ、こっちの話、終わってねーだろ!!!」

影になって見えなかった所には、
勇武とあまり歳が変わらない感じの普通の男がいて、
勇武に向かって激しく怒鳴った。

…勇武は俯いたまま黙りこみ、返事をしなかった。


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