虹色の騎士団
「必要ない時に、
力の受け渡しするなって

何度言えば分かるんですか…!」

ソファーの後ろから手を伸ばし、

オレの口を押さえながら

凛が彼方先生を睨み付ける。

それで諦めたのか、

先生はオレから離れて

反対側のソファーに
どさっ!っと腰を下ろす。

「ちふぁらの、ふへわたひ?」

「あ、悪い…!」


「ぷはっ……!

……で?
力の受け渡しって何だよ。」

考えてみて思い出せないって事は、

ヒナタもレオンも知らない事なんだよな、それって。

「なんて言うか…。

こっちの世界に来てから、
俺達の力が微妙に不安定なんだ…。

日によっては、
いきなり騎士の姿に戻ったりもするし…。」

騎士の姿ってのは、
あの「色違いバージョン」って事か。

「それを安定させる為に、
他の騎士から力を分けてもらったり、

反対に分けたりする必要があって…。」

うんうん…。

「……その行為は、
唇から体内に取り込むしかない…。

しかも…、

ある程度、
決まった場所に唇を付けないと…

取り込む事が出来なくて…」

………。

「つまり……?」

「つまりその……。」

凛が、
顔を赤くして言葉につまり始めた。

「凛、
はっきり言ってやれ…。

キスをしたり、
相手の首筋に唇を這わせて力を吸い寄せる。

これが、私達の
力の交換方法だ…。」


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