お母さん系男子の幼なじみがスキなんです。
カバンに顔をうずめながら
横目でチラリ、誰か来たことを確認する。
「あ、湊ぉ...?おはよー」
「はよーっす」
今あたしの横にいるのは、同じクラスの
望月 湊(もちづき みなと)。
女子じゃないよ、ちゃんとした男子だよ。
湊とは、未緒と愛莉と同じで
高校から知り合ったけど
出席番号が前後で、高校入って初めて仲良くなった人でもある。
「ふーみ、いつまでそうしてんだよ。
お前が今欲しがってるもんが頭にのってんぞ」
もう、なによー。
今せっかく湊の紹介してるというのに。
.....そういえばさっき頭に何かのったな。
むくり。
頭にのったものを取って起き上がると
「....って、え!?
これ、どす黒エクレアァァァ!!!」
「おー。ふみまだ一度も食べたことないって言ってたじゃん。
俺ん家の近くのコンビニたまたま売ってたから買ってきた」
ニッと笑う湊。
...今、湊が女神に見えた。