お母さん系男子の幼なじみがスキなんです。








ふと目を向けた先に



扉にもたれかかるように立っていた蒼輔の姿が。



なんだ、いたなら教室入ってきてくれたら良かったのに。



カバンを持って蒼輔のとこに駆け寄る。



あたしに気づくと蒼輔はスッともたれかかるのをやめた。




「ごめんふみ、迎えに来るの遅れちゃって。掃除当番だった」



「いーよ全然、だと思ったし!

ていうか蒼輔来てたなら声かけてよ〜」




あたしがそう言うと


今まで目が合っていたのに


スッと目を逸らされた。




「どしたの?蒼輔」



「ふみ、楽しそうに話してたから

声かけちゃダメかなーって思って」



そう言って

少し、ぷくり。と頬を膨らます蒼輔。




「............あ、湊のこと?

いーのにそんなの気にしなくても」



あ。いけない、蒼輔が可愛いすぎて一瞬頭がフリーズしたわ。




「...そうなの?」



「え、うん?
それより早く帰ろーよ蒼輔!クッキー早く食べたい!」




すると、


何かを思い出したように


「あ」と蒼輔は声を出した。










< 22 / 23 >

この作品をシェア

pagetop