お母さん系男子の幼なじみがスキなんです。
ふと目を向けた先に
扉にもたれかかるように立っていた蒼輔の姿が。
なんだ、いたなら教室入ってきてくれたら良かったのに。
カバンを持って蒼輔のとこに駆け寄る。
あたしに気づくと蒼輔はスッともたれかかるのをやめた。
「ごめんふみ、迎えに来るの遅れちゃって。掃除当番だった」
「いーよ全然、だと思ったし!
ていうか蒼輔来てたなら声かけてよ〜」
あたしがそう言うと
今まで目が合っていたのに
スッと目を逸らされた。
「どしたの?蒼輔」
「ふみ、楽しそうに話してたから
声かけちゃダメかなーって思って」
そう言って
少し、ぷくり。と頬を膨らます蒼輔。
「............あ、湊のこと?
いーのにそんなの気にしなくても」
あ。いけない、蒼輔が可愛いすぎて一瞬頭がフリーズしたわ。
「...そうなの?」
「え、うん?
それより早く帰ろーよ蒼輔!クッキー早く食べたい!」
すると、
何かを思い出したように
「あ」と蒼輔は声を出した。