最後の恋の始め方
「理恵ちゃん」
私の態度が意外だったようで山室先輩は驚いている。
身にまとっている白いコートが風にひらっと揺れている。
「そんなに佑典が忘れられない?」
「……」
「あいつは理恵ちゃんを裏切った。今からよりを戻したところで、一生その十字架からは自由になれない。罪の意識がずっと二人の間に横たわる。理恵ちゃんにそんな思いをさせたくないんだ」
「だから違うんです。佑典を裏切ったのは私なんです!」
山室さんの求愛から逃れるためというよりも、これ以上佑典に対して、死人に鞭打つようなことをするのが忍びなくて。
「私が佑典を裏切って、他の男の人と……」
ついにパンドラの箱を開けてしまった。
「理恵ちゃん。佑典の名誉を守ろうとして、自分を傷つけるようなことを容易に口走るのはやめるんだ」
山室さんは私が、佑典を守るために適当なことを言ってるとしか思わなかったようだ。
「理恵ちゃんはそんな子じゃない。それは俺にだって分かるよ」
なだめるように山室さんは、私の髪を撫でる。
「いえ、山室さんは私を何も知らない。私は佑典と付き合いながら、他の男の人とも関係を続けていたんです。そしてその人とは今でも……。だから山室さんとはお付き合いできません」
私の態度が意外だったようで山室先輩は驚いている。
身にまとっている白いコートが風にひらっと揺れている。
「そんなに佑典が忘れられない?」
「……」
「あいつは理恵ちゃんを裏切った。今からよりを戻したところで、一生その十字架からは自由になれない。罪の意識がずっと二人の間に横たわる。理恵ちゃんにそんな思いをさせたくないんだ」
「だから違うんです。佑典を裏切ったのは私なんです!」
山室さんの求愛から逃れるためというよりも、これ以上佑典に対して、死人に鞭打つようなことをするのが忍びなくて。
「私が佑典を裏切って、他の男の人と……」
ついにパンドラの箱を開けてしまった。
「理恵ちゃん。佑典の名誉を守ろうとして、自分を傷つけるようなことを容易に口走るのはやめるんだ」
山室さんは私が、佑典を守るために適当なことを言ってるとしか思わなかったようだ。
「理恵ちゃんはそんな子じゃない。それは俺にだって分かるよ」
なだめるように山室さんは、私の髪を撫でる。
「いえ、山室さんは私を何も知らない。私は佑典と付き合いながら、他の男の人とも関係を続けていたんです。そしてその人とは今でも……。だから山室さんとはお付き合いできません」