最後の恋の始め方
 電話を終え、コピー機兼ファックスの元へと急ぐ。


 台の上に車検証を置き、ファックスモードに設定して、警察署のファックス番号を入力。


 間もなくスキャンされ、情報は先方へと送り届けられるだろう。


 これで一段落。


 それからはひたすら、和仁さんの帰りを待った。


 車が若干損傷しただけで本人にはケガがないとはいえ、やはり心配。


 現場検証の後の事故処理、事故の届けを警察に提出するための書類作りに時間がかかっているのだろうか。


 ……。


 それから一時間くらい経ってから、ガレージが開けられる音がした。


 和仁さんが帰宅したようだ。


 窓から覗くと、今日乗っていた外車が今まさに、ガレージに入りつつある。


 待ちきれなくなって窓を閉めた後、玄関へと急いだ。


 「おかえりなさい。……大丈夫ですか」


 玄関のドアが開き、和仁さんが入ってきた瞬間、私は尋ねた。


 「全く無傷だよ。今日は外車でよかった。ドイツ車は頑丈だから、追突されてもびくともしない」


 何事もなかったかのように、居間まで歩いて荷物をソファーの上に置いた。
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