波音の回廊
 (どうしてこんなことになってしまったのか)


 彼は悔やんでいた。


 自分の向こう見ずな振る舞いの一つ一つが、今の状況を生み出したような気がして。


 (思えば私は、父上に反発してばかりで……。つい意地になって)


 清廉は今までの父親との関係を振り返った。


 (もっと素直になっていれば。もっとひたむきに父上の期待に応えていれば……)


 父親の容態が、清廉には伝わってこない。


 昏睡状態と聞く。


 命に関わる症状なのだろうか。


 もしもこのお堂から抜け出すことができたなら。


 真っ先に父上の元に駆けつけたい、清廉はそう願っていた。


 今までの非礼を詫び、これからはもう反抗的な態度を取らず、素直に父と向き合いたいと祈った。


 可能であるならば。
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