プロポーズ

僕の最後

僕は今朝海に会いに車を走らせている。
朝海との約束を果たす為に。
一緒に死んで、と朝海は言った。
きっといま天国で僕が来るのを待っているだろう。
僕は朝海が死んでから1度も泣いていない。
葬式にも、火葬にも出て、朝海の骨をちゃんと拾った。
だから、現実はきちんと受けとめている。
けれど、涙は1度も出なかった。
それはきっと、もうすぐ朝海に会えるからだろう。
僕は楽しみでしかたなかった。
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