真逆な双子と恋愛三角関係
「リンよかったら今度、料理部に遊びに来て!
一緒にお菓子作ろ!」
…は?
いくわけないじゃん。
「…私、料理とか全然できないし。」
私がそう言ったとき、
隣のあいつがケラケラと笑い出す。
「たしかに。
お前、料理とか全然できなさそー。」
「うっ…!」
そう言われて「うっさいな!」と言おうと思ったけど
リコの前でそんな事したらダメだと思ってその言葉を飲み込んだ。
本当のことだけど
本当のことだけど
正直こいつにもそんな風に見られてたんだなって思って。
ガサツで男勝りな私。
ちょっと傷ついたけど
私は必死で笑顔を作って
「よくわかったね、晴山くん。」
と、少し距離がある言い方をした。
わざと「晴山くん」と呼んで。
リコがいるから隣人風に。
こいつを巻き込みたくなかったんだ。