真逆な双子と恋愛三角関係
降りる駅について、
電車を降り改札を出ると前に秀の歩く背中が見えた。
話しかけたかったけど
気まずい状態だったから話しかけられなくて秀の背中を見つめながら、私も歩き出す。
しばらくして、秀が歩きながらポケットからケータイを取り出した瞬間
秀のケータイについてあったキーホルダーがポロっと地面に落ちる。
秀はそれに気づかず
どんどん歩いて行ってしまい、
私はそのキーホルダーを届けるべきか迷った。
気まずくて
避けられたらどうしよう。
秀の背中はどんどん小さくなって行って
見えなくなっていく。
私は落ちているキーホルダーをただ見つめて立ち尽くしていた。
よくみるとキーホルダーには
「SHU」って、秀の名前が彫ってあった。
もしかしてこれ誰かとお揃いとかじゃないのかな。
もしかして
…彼女のだったりしないのかな……
もし私に彼氏がいたとして
お揃いだったストラップを彼氏になくされたらすごく悲しい…
私はそのキーホルダーを手に取り、
秀の背中に向かって走り出した。
全速力で走って
秀を追いかける。