Sweet Lover
慌てて首を横に振ると、そっと頬に唇が落とされる。

それだけで、電気に似たくすぐったさが全身を駆け巡っていく。

「春花さんは?」

「タクシーで帰した」

「響哉さんは、いつ、帰ってきたの?」

「夜の間」

「トラブル、大丈夫だった?」

「心配いらないよ」

響哉さんは、優しさだけで作ったような甘い笑顔を浮かべた。
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