Sweet Lover
もっとも、当の響哉さんは眉間に皺を寄せているだけだ。

「……暇なんですね、日本の芸能界って。
 しかも、人のことを日本人扱いしてみたり、外国人扱いしてみたり。
 ……まぁ、どう言われても構いませんけど、別に」

お父さんに向かって、呆れたようにぼやく。

「もちろん、私の元で最大限安全対策は取らせていただきますよ。
 でも、どうしてもご心配でしたら、はい、そのときは。
 ……よろしくお願いします」

響哉さんは丁寧に電話を切って、私に渡す。

テレビ番組は、もう、次のコーナーへと進んでいた。
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