Sweet Lover
「そんなことないけど……。
 さしてテンションのあがる仕事じゃないってだけ」

仕方ないか、と、響哉さんは苦笑を浮かべる。

その苦笑にすらうっとりと見入ってしまう私は、魔法にでもかかっているのかもしれない。

いつもかっこいいのだけれど、今日は加えて「素敵な彼」を演出している。

そんな響哉さんは、目の前に居るだけで、私を夢見心地にさせてしまう。


「昔、――そう、俺がマーサくらいの年の頃に――、頼太の祖父に言われたことがあるんだ。
 その人は、俺のじいさんの兄貴にあたる人なんだけどさ。
 ある意味、元祖須藤家を捨てた人、だね」

響哉さんは自嘲的に笑う。

やっぱり佐伯先生と響哉さんって親戚だったんだ。
通りでどことなく似てるのね、と、私は変なところに感心する。
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