Sweet Lover
――キョー兄ちゃん……。
  勝ったよ!


うきうきした気持ちで、目を覚ました。

けれども。


……違う。
  ここは、幸せな夢の続きの世界なんかじゃない。

一気に現実に引き戻されて、背中がぞくぞくした。
後頭部には、鈍い痛みが走っている。

確認しようとして、世界が真っ暗なことに気づく。
目隠しされてる……?

そして、それを取ろうと手を動かそうとしてはじめて、がしゃりという音を耳にした。

……手錠?

パニックになってもがけばもがくほど、がしゃがしゃという耳障りな音が響く。

……響哉さんっ、助けてっ……


傍に誰が居るのか、居ないのかも分からなくて、彼の名前さえ口に出せない。

私は泣かないでいるのが、精一杯だった。
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