Sweet Lover
私はひどくはしゃいでいて、隣に横になるキョー兄ちゃんの顔ばかり見ていた。

『ほら、目を閉じないと眠れないよ?』

キョー兄ちゃんはくすくす笑って、私の目を大きな手のひらで覆った。

『やぁんっ』

手を振り払おうとした私に、しー、と言う。

『どっちが早く寝るか競争しようか?
 マーサちゃんが勝ったら、ご褒美にキスしてあげる』

『じゃあ、勝つからチューしてっ』

『それは、本当に勝ってからじゃないと駄目。
 始めるよ?
 よーい、どんっ』

目を手のひらで塞がれた上に、そんなことを言われた私は、狸寝入りをするほか無い。

そうして。
目を閉じて寝たフリを始めた私は、すぐに、本当にすぐに、寝付いてしまったのだ。


そう、キョー兄ちゃんの目論見どおりに――。

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