Sweet Lover
「いつも、肝心なときに傍にいてあげられなくて――ゴメン」

響哉さんは、距離を空けてリビングのソファに座る私を困った顔で見ながら謝る。

私は無意識のうちに爪を噛みながら、床を見つめていた。


「――響哉さん。
 私も、すぐに一緒にアメリカに行く」

ああ、と、響哉さんはふわりと笑う。

「その話なら頼太から聞いたけど――。
 俺は別に、そういう風にマーサをはめようとしたわけじゃない。
 監督の作品に出て問題ないと言ってくれるなら、ほんの一ヶ月半くらい、一人で過ごせる」

だから心配しないで、と、頭を撫でようと、いつものように手を伸ばしてきた響哉さんの、手首を掴んで首を横に振る。


「――違うの。
 私がここにいたら、また、梨音に迷惑かけないとも限らないし――」

だから、もう。
ここには居たくない。
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