Sweet Lover
「良い子にしてないと嫌われるって思ってる?」

響哉さんは無言のまま逃げきろうと思っている私に、さらに重ねて聞いてきた。

「――だってっ」

耐え切れず私は、唇と瞳を開く。

「嫌われたくないとか、そういうのじゃないもんっ。
 ただ、自分のことで、誰かに迷惑かけたくないの。
 私――、そうなっちゃ駄目だと思って今まで頑張ってきたから」

両親の事故死のことで、しばらく混乱していた私は、気づけば義理の両親と弟と一緒に暮らしていた。

養ってもらっていることに感謝して――良い子にしてなきゃ。

私は、実の子じゃないから――心配かけないようにしなきゃ。


自然にそう思うようになって、何が悪いって言うの?
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