LOVE SICK
「何を考えてるんだ……」


静かに無言で席に着いた私をやはり静かに問いただす彼。
何を言うべきかは決めていなかった。

今日は、カフェオレにした。

いつも少し時間がある日や気分がいい日はブレンドコーヒーではなくカフェオレを頼んでいた私。
ブレンドコーヒーを頼んだ日は、必ずクリープを入れていた。
ブラックコーヒーが少し苦手だから。

そんな事を、この人は言葉を交わす前から知っていた……


私はクリーム色のカフェオレを一口含んでからそっと口を開いた。


「祐さんが……嘘を吐いてたから……」


何も考えずに零した言葉は思いの外直球で、自分でも少し驚いた。
けれど遠回しにするよりもきっといいんだ。

どんなに取り繕っても今の私はまだ祐さんに優しく出来る程大人になれそうにもない。
例え傷付けてしまっても、このまま甘え続けるよりもずっといい筈だ……


「俺が? 何を……」


驚いた顔をした彼の目を見る事はできず、私はじっと手に持ったコーヒーカップを見つめていた。

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