LOVE SICK
「見たんです……もう、私嫌なんですそういうの……」

「何の話だよ……」


唐突な私の態度と私の言葉。
祐さんが困惑しているのは声を聞けばわかった。

私は、彼の瞳を見つめても言えるだろうか。
この人に別れを告げられるだろうか。

泣いてしまわないだろうか。
また、甘えてしまわないだろうか……

きっと私は、彼の顔を見ればこの先に続く言葉は言えなくなるだろう。
だから、そのままコーヒーカップを見つめ続けた。


「……お子さん、いるんでしょう?」

「……」

「月曜日の公園で、見ました……」


これ以上、余計な事を話すべきではない。そう思い核心に触れた。
余計な話をしていたら、私はきっと又、この人に甘えてしまう。

頼りたくなってしまう。

手放したく無くなってしまう。

これは、大人になりきれない私の、せめてもの意地。


「家族を、ちゃんと大事にして下さい……」


私には、この人の様な優しを持てそうもないから。
だから……バカな私の、精一杯の優しさだ。
< 139 / 233 >

この作品をシェア

pagetop