LOVE SICK
「そんなの……けど……今の祐さんの恋人とか、結婚とかとは……関係なくないですか……?」


やっと口にした言葉は純粋な疑問であって。
それでも、口にした自分が惨めになる程に場違いだ。

酷く幼く聞こえて……

けれどその問いへの答えは私の中では思いつかなかった。


「無い訳がないだろう?養育費を払ってるって家庭を持ってるのと同じだ。
俺は一生由奈には会いたいんだ。彼女の幸せを、自己満足でも見守りたい。
それ以上に、大切に思える物なんてない。
他の女性との間の子供に会いに行く事を我慢して欲しいなんて言える訳がないだろう?」

「私……」

「あの子を不幸にした俺が、あの子を忘れて幸せになるなんて、していい筈が無い……」


酷く頭が混乱してる。


彼には家庭があるんだと思っていた。

愛する家族がいるんだと思っていた。

守るべき人がいるんだと思っていた。


私は、偶々彼の側で泣いていて。
優しいこの人はそんな私が気になってしまっただけなんだと思っていた。


彼は家庭を失っていた。

愛する家族を失っていた。

でも、守りたい人がいる……


それなら私は、どうすればいい……?

突然知らされた現実に対応出来る程の人生経験は積んでいなくて、それでも何かを言わないとと思った。
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