LOVE SICK
「るう。もう会うのはやめよう」


けれど困惑する私の言葉と思考を遮ったの彼の言葉は余りにも残酷で……


「俺といるのは、るうの為にならない」


余りにも、優しくて……


「そんなの……」

「るうは可愛いし、一生懸命な君は魅力的だよ。こんなバツイチの年上の男に引っかかってるなんて勿体無いよ」


自分が言えた義理じゃないけど、と言いながら微笑んだ彼は、今迄私に向けられた中で一番に優しくて。

一番に切なくて。

一番に、傷付いて見えて……


「そんなの……」


私は、言葉が見つからず、壊れてしまったおもちゃの様に、ただ意味の無い音だけを繰り返す……


「……引き止めて、悪かった。自分を顧みないで、るうに惹かれたよ」

「……」

「今までありがとう。るう」


そうして、彼は一人立ち上がった。

目を伏せて、彼はゆっくりと店から出ていく。

ありがとうございましたと、いつも通りの店員の明るい言葉が響く。

その姿を、私はただ見つめていた。
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