LOVE SICK
***
「るう」
「……え?」
唐突に呼びかけられた自分の名前に反応だけはしたものの、私は一瞬状況が理解できなかった。
周囲を見回せば閑散とした見慣れたオフィス。
社内で私を名前で呼ぶ人は一人しかいない。
「……お前、あの男と別れた?」
思いのほか至近距離で言われた斎木さんの言葉に私は目を丸くした。
斎木さんは私の真後ろに立ちながらデスクに手をついて私を覗きこんでいた。
他の人もいるところで何をと思ったけれど、フロアには斎木さんと私、二人だけだ。
時計に目を向ければ既に22時を過ぎている。
先ほどまでは他にも社員が数名いた筈だ。
最後に帰った人がいつ帰ったのか、覚えてもいない。
少し前まで斎木さんと二人になる事を極力避けるようにしていて、そうなりそうな日は朝から憂鬱だった。
この人が嫌いだと自分に言い聞かせながら、ずっと、彼の存在を意識していた。
それなのに今日は、気が付きもしなかった。
(そう言えば……)
斎木さんから夜中に電話が掛かってくる事もいつの間にか無くなっているな、と気が付いた。
夜も眠れない程に気になっていたのに……
理由は多分単純で、入籍をして奥さんと暮らしている筈だからそんな事をする訳にはいかないのか、新婚生活が楽しいのか……そんな所だろうと簡単に想像はつくけれど……
「るう」
「……え?」
唐突に呼びかけられた自分の名前に反応だけはしたものの、私は一瞬状況が理解できなかった。
周囲を見回せば閑散とした見慣れたオフィス。
社内で私を名前で呼ぶ人は一人しかいない。
「……お前、あの男と別れた?」
思いのほか至近距離で言われた斎木さんの言葉に私は目を丸くした。
斎木さんは私の真後ろに立ちながらデスクに手をついて私を覗きこんでいた。
他の人もいるところで何をと思ったけれど、フロアには斎木さんと私、二人だけだ。
時計に目を向ければ既に22時を過ぎている。
先ほどまでは他にも社員が数名いた筈だ。
最後に帰った人がいつ帰ったのか、覚えてもいない。
少し前まで斎木さんと二人になる事を極力避けるようにしていて、そうなりそうな日は朝から憂鬱だった。
この人が嫌いだと自分に言い聞かせながら、ずっと、彼の存在を意識していた。
それなのに今日は、気が付きもしなかった。
(そう言えば……)
斎木さんから夜中に電話が掛かってくる事もいつの間にか無くなっているな、と気が付いた。
夜も眠れない程に気になっていたのに……
理由は多分単純で、入籍をして奥さんと暮らしている筈だからそんな事をする訳にはいかないのか、新婚生活が楽しいのか……そんな所だろうと簡単に想像はつくけれど……