LOVE SICK
「祐さん。私は貴方といる時間、幸せでした」

「るう……」

「あなたの優しさに、救われました」


私は確かに、この人に大切にされていた。
幸せにしてもらっていた。

傷付きたくないからと見ないふりをして、求めないふりをして。

ずっと、気が付いていないふりをしていた。


でもこの人は、この人のやり方で、私を愛してくれていた……


「私に、貴方を幸せにさせて下さい」


ずっと歳上の彼が少し、弱々しく見える。

幼い子供の様に、泣いてしまいそうに見える。

その表情を見せたく無かっただろう、彼は俯いた。

少し自嘲する様に無理やりに頬を上げて微笑を作ろうとする。


「……バカだろ。君は……」

「いいんです。一生、娘さんに会いに行って下さい。私は一生、ヤキモチ妬き続けてあげますから……」

「……」


きっと私は他の女性と精神的に結びついている彼を、知らない女性の子供を愛する彼を、何も無くなんて思えない。
きっと気になってしまう。

けどそれは、いけない事だろうか。

それこそが、彼が以前愛した人に、してあげられなくて悔やんでる事じゃないだろうか。


「娘さんの次でいいけど、前の奥さんよりは愛して下さい」

「……」

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