LOVE SICK
何も、言わない彼に不安で押しつぶされそうになる。
それでも私は少し、勝気に微笑むんだ。


「ねえ祐さん。私じゃダメですか?」


それはいつか、勢いで言った言葉。

あれが始まりだった。
間違いだらけの始まりだった。

私は、あの時確かに間違えて、逃げて、後悔をして、けれど今は一つだって悔やんでない。

正しくは無かった。
人に堂々と話せる関係でも無かった。
罪悪感は常にあった。

そして結局は……余計に苦しくなった。


それでも、この人とすれ違うだけにならなくて良かったと思うんだ……


このまま彼に断られても、私は多分……





「……断れるわけ、ないだろ」






空気が確かに震えて、声が、耳に響く。

それは彼が、いつか言った言葉。
あの始まりの時に、私に答えてくれた言葉。

私を受け入れてくれた、言葉……


いつだって、私はこの人の声を聞くだけで、泣きそうになるんだ……
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