LOVE SICK
「……」


恐る恐る祐さんを見れば、彼は珍しく、ものすごい不機嫌な顔で斎木さんを確認する私を見ていた。


「あの……祐さん?」

「……あの男と二人だったの?」

「ま……まさか。ついさっきまで同僚がいたんですけど、彼女から呼び出されて……」

「……」


なんか事実なのに言い訳みたいに聞こえる!
斎木さんが変な事言いだすせいだ!!

祐さんにうろんな瞳を向けられて私は焦ってしまう。


「あの、支店長は一人で待たせるのはって待っててくれただけで……」

「るう。ちょっと黙って」


言い訳を重ねる私に、珍しく苛々した風の祐さんに冷たく遮られて、私はかなり泣きそうな状況。


「祐さ……」


黙れと言われたのに、彼の名前を呼ぼうとした私は、無理やり黙らされた。

街中の歓楽街には信号が多い。
車は一本目の信号で停止中。

私から言葉を奪ったのは運転席から身を乗り出した彼の、珍しい、余裕のない強引なキス……

この距離だと、斎木さんに見られてるかも……
一瞬抵抗しようとした私に、祐さんは更に腕に回した力を込めた。


……そうか。

……ヤキモチ、妬いてくれたんだ。


私はやっと気が付いて……
斎木さんだしまあいいや。
そう思って、情熱的な彼の口づけに、身を任すことにした。
< 228 / 233 >

この作品をシェア

pagetop