LOVE SICK
「……るう?」

「さっき、支店長に言ってくれたことってそういう意味ですよね?」


驚いた顔をする祐さんの腕に手を伸ばし、私はそう言葉を重ねる。

そういう意味でしょう?
ねえ、期待させてはぐらかすなんてやめてよ。


でも次の瞬間、祐さんは少し困った顔をしてしまって。


「るう、俺は……」

「……ああ! ごめんなさい! やっぱ今の無しで!」

「え?」


慌てて取り消した私に祐さんは今度こそ怪訝な顔をした。

ああ。失敗した。
こんな風に言うつもりじゃなかったのに……


「だって祐さん、さっきのは売り言葉に買い言葉でしょ……?」

「……俺が本気じゃないって言いたいの?」


少し心外だと言う彼にまた焦る。

言いたいことは分かってるの。

優しいこの人の事だから。
私とは違って慎重な人だから。


「違います! 祐さんは私の事とかお子さんの事とか元奥様の事とか……色々現実的な事言うつもりでしょ!?」

「それは……」


だからムードに流されてなんてくれなくて。

私のことをちゃんと考えてくれているって分かってる。
私の事を大切にしようとしてくれてるって分かってる。

私に対して引け目を感じてる事も知っている。

だから……
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