LOVE SICK
メールを返す事を諦めてシャワーを浴びようとすれば又、衝撃の事態。


「嘘……」


鏡に映った自分の身体に愕然とした。
首筋に、胸元に、赤く残された昨夜の痕跡……


朝は慌てていて気が付かなかった、それ。

ブラウスを着て、髪を下ろして。
そうして見えるか見えないかのギリギリのラインに冷や汗が出る。


もう一度言おう。

朝は気が付いていなかったんだ。


「……最悪……見られたかな……」


暫く裸のままシャワーを頭から浴びながらガックリと肩を落とした。
そのまましばらく、FRPのバスタブにたたきつけられるシャワーの滴を見つめていた。

それから思わず、自嘲の笑みが零れた。


「……って、見られて困る人なんていないでしょ」


もちろんものすごく恥ずかしい。
恥ずかしいけど……

けど、だからって、何も無い……


「何も、無いよ……」


小さく独り言ちた声は、シャワーの水音に掻き消えた。
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