LOVE SICK
***


先にシャワーを浴びて来る様に言われたけれど、どうにもこうにも身体が言う事を聞かず……
祐さんの後に浴室へ向かいシャワーを浴びた。

部屋に戻れば祐さんは寝転がって読んでいた本から視線を上げた。

スウェットにTシャツ。そんなラフな服装でリラックスする彼を見るのは当然初めてで。
なんだか少し幼く見えて可愛いいだなんて。私より随分と歳上の男性に対して失礼な感想なのかもしれない。


「祐さん……」

「何?」


けれどそんな初めて見た彼の姿以上に気になることが、今はあって……


「このTシャツ……おっきいです……」


当然何も持って来ていない私は祐さんに服を借りて、当然その服は私のサイズなんかじゃなくて。
胸元が気になって持ち上げれば祐さんは楽しそうに笑う。


「男の夢だろ? 悪くないよ」

「……おっさんですね……」

「それを否定する歳でも無いな」


不貞腐れた私をクスクスと笑いながら手招きをした。


側に近付けばベッドの端に座る様に促されて、私の後ろから彼は濡れた髪の毛をタオルでクシャリと撫でる。
どうする気かと思っていたら突然、耳元で大きな音と熱風を感じた。

髪を乾かしてくれるらしい。
ドライヤーの熱い空気と轟音と、それから頭に触る心地いい感触。

……どこまで甘い人なんだろう。
あまりに気持ち良くて、このまま寝てしまいたい。
思わずうっとりと軽く瞼を落とした。
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