LOVE SICK
「祐さん……恋人じゃなくて、結婚とかじゃなくて、時々会えませんか?」

「るう?」


不思議そうに見つめる彼の腕の中から見つめ上げる。
精一杯、可愛らしく見えるように、少し不安気に見えるように、上目づかいで小首をかしげる。


「ダメですか…?」


また会いたい。そんなことを思うなんて……


「……るう。君が勿体無いだろ……こんな事して言えた義理じゃ無いけど……安売りするなよ」


少し呆れた様に、自分の事を棚上げしそうになりながら言う祐さんに、今度は勝気に微笑んでみせた。


「安く売ってる気は無いですよ?」

「思わせ振りだな」


そう言って笑った彼を陥落するのに時間は掛からなそうだ。
そう思いながら駄目押しの一言。


「私じゃダメですか?」


そうすれば少し困った様な苦笑を浮かべる人。
困った顔さえも様になるんだから、ずるい。


「断れる訳ないだろ」


どこか芝居染みた遣り取りだ……

本当は昨日の時点で、お互いそれが都合が良いと気が付いていたんだと思う。
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