甘い言葉で
「ユズくん......?」
恐る恐る名前を呼んでみる。
何だか、ユズくんの顔、近くないですか?
30センチものさしより距離が近い気もしなくないですけど......
「あゆみちゃん、聞こえてた?」
「は?え?......えっと、『可愛い』とかですか?」
もう1個聞こえた方は取り合えず置いといて、無難な台詞の方をチョイスしてみる。
「ん~、それじゃなくて......もう1個の方なんだけど?」
ウーワーォー!!
やっぱり、聞き間違いではなかったのですね?
何故にイケメンにそんなこと言われたのでしょうか?
あたしには理解不能です!
綺麗と言われそうなお姉さま方に囲まれていましたよね?それなのにあたしですか?
視力、大丈夫ですか?
コンタクトなら、度数あってますか?
あたしが一人で脳内でパニクっているとユズくんの手があたしの手に触れてきた。
「俺、あゆみちゃんのこと好きになった。一目惚れ......じゃなくて、二目惚れ?」
「は?なんですと?」
「あゆみちゃんの隣に俺が立っても良いかな?」