甘い言葉で


ちらっとユズくんの方を見ると......
あれ?ユズくんの顔、赤い?
もしかして、怒らせちゃったかな?


「うわっ、ごめんなさい。あたし、ユズくんのこと何も知らないのにベラベラと語っちゃって.........年下のくせに生意気でした。本当にごめんなさい」


座ったままだけど、頭を下げて必死に謝る。
あ~あ。やっちゃったぁ~
ユズくんの雰囲気がサチや美幸といる時と何らかわりないオーラだからついつい......いつもの感じで喋っちゃったよ。


ユズくん、お兄さんなのにあたしの態度は友達みたいだったよね......
いくらキャンプといえど羽目を外すのも程ほどにしなくちゃ.........


一人俯いて自己嫌悪してるところに、頭の上からは優しい声が。


「あゆみちゃん、可愛いね。俺も好きだわ」


「は?なんですと?」


あたしは驚くも何もそのままの姿勢から動けません。
いま、ユズくんは何と仰いまして?
あたしの聞き間違いですか?
頭を下げたまま、あたしの脳みそはフル回転。


「おーい、あゆみちゃん。どうしました?俺の言葉、聞こえましたか?」


ユズくんはあたしの頭をツンツンしてきた。


はい。聞こえましたけど、聞き間違いですか?
あたし、定期的に耳掃除してるから大丈夫だと思うのですがね。
聞きなれない台詞だったからね。うん。


あたしはゆっくり頭をあげてユズくんの顔を見つめた。
視線の先には微笑んでるユズくんの顔。少し照れてる感じがしないでも......ない?


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