甘い言葉で


「まぁ、まぁ。キャンプは再来週でしょ?さっき授業の終わりにもらった案内を見て、忘れ物がないようにしなくちゃね」


「去年、水着忘れた子がいて、可哀想だったもんね。」


「足だけ浸かっていたっけ?勿体ないよね~忘れ物すると、楽しさ半減だもん。」


あたしとサチは去年のキャンプを思い出す。
川遊び楽しかったね......とか。
アホな男子は虫取りしてたね......とか。
カップル誕生したよね......とか。


「特に、美幸は初めてなんだから気を付けてよね!」


サチはだめ押しの注意を美幸に。
サチもいつだったか忘れ物をしたことがある子なのです。


「もちろん、わかってるわ!週末から準備するもの」


私だって、楽しみにしてるんだからね!
と、胸を張って意気込みをアピール。
気負いすぎるのもどうかと思いますよ?


三人のおしゃべりタイムもそろそろ終了。


『じゃあ、またね~』
『おやすみ~』
『早く寝ろよ~』


それぞれの家路に向かうため暫しのお別れ。『また明日も晴れますように』と願いながら。



新しい風が吹く夏がもうすぐ始まる。


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