甘い言葉で
ユズくんの強い眼差しが突き刺さる。
『今年のキャンプは運命の再開』って言ってくれる。
でもね、ユズくんがあの時助けてくれたお兄さんでもそうじゃなくても関係ないし。
ユズくんはいい男なのに、あたしなんかを選んで良いの?
未だに、ユズくんの隣に立つのが不安なあたしに優しい言葉を掛けてくれる。
「俺は、あゆみちゃんが良いの。あゆみちゃんじゃなきゃダメなの。そろそろわかってほしいな」
あたしの顔を自分の胸に寄せて耳元で囁く。
「好きな子じゃなきゃ、こんなことしないよ?」
ユズくんの唇がそのまま耳元に触れて「チュッ」と音をたてて移動していく。
くすぐったくて身を捩ると、二人の身体に空間が出きる。
その距離のお陰でできたスペースでお互いの顔を見つめることができて.........
「あゆみちゃんの事が好きだよ」
そういって、ユズくんの唇があたしの唇に重なる。