地底人、拾っちゃいました☆だから私は彼を地下に埋めてあげるんです☆
「すんげぇ~」



3人の少年たちははしゃぎながら鹿男に近づく。



「この鹿男、ホンモノかな?」



無邪気に騒ぐA森。




「いや、高確率で奈良の回し者だね。」




と、分析するB川に対し




「カロリーメイト、食うかなぁ?」




と、手にしてるお菓子をやろうとするカロリーオーバー男。




鹿男は何も言わないで、少年たちの方をみている。




「なぁ、宇崎。」




様子を見ていた私たち。
小学生たちを見ながら私は宇崎に声をかけた。



「宇崎はアレなんだと思う?」



「俺は、ホンモノだと思うぞ。」



と、興味津々な様子で答える。



「絵里は?」




意見を求める宇崎。



「私は、どうでもいいかな」



ホンモノでもニセモノでも、かかわるのがめんどくさそうだ。

そう思っていると、場内アナウンスが流れる。



「次は…」



しばらくすると電車は止まった。




「ヒィィィィィィン」




口を大きく開けたかと思うと、高音の何とも言えない音を放つ鹿男。




その大きな音に驚き、私は慌てて耳をふさいだ。



すると、鹿男の目が潤んでいるのが見えた。
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