愛してると囁いて【短編】
「じ、実原先輩…?」


「ん?」



その子が控えめに俺を見上げる。


くぅ……っ!!


その上目使いがたまらない!!


―――でも…













「チョコ…ありがとう。俺のために作れってくれてめちゃくちゃ嬉しいよ。でも、俺はその気持ちに応えられない……」



俺はさも切なさそうに視線を地面に落とした。

俺の言葉を聞いた女の子はゆっくり、ゆっくりと表情を悲しみに変えていく。


だんだんと涙腺が緩み、瞳に涙が溜まり、そして零れ落ちた。

溢れ出した涙は止まる傾向を見せず、より激しくなる。






…そう、この姿!!!

これがタマらないんだよ!!

俺にフラれて涙を流す女の子の姿…

これが毎年楽しみでもう待ちきれないんだ!!







…そう、俺は所謂かなりの…










ドSってやつだ。


< 2 / 31 >

この作品をシェア

pagetop