愛してるの代わりに
月曜日からの1週間分の授業のノートをまとめて、日曜日には宮脇家に持って行く。
初めて発送作業が行われた日から2日後、雛子の家に慎吾から着信が入った。
『雛、ノートありがとう』
「あれでよかった? わかりにくかったり、こうしてほしいっていう所ない?」
『あるわけないだろ。あれだけわかりやすいノートもらって文句言うヤツいたら俺が逆に文句言ってやるよ』
「……よかったあ」
久しぶりに聞く慎吾の声は、電話越しではあったが少々疲れているように雛子には感じた。
やはり慣れない場所での慣れない生活に戸惑いもあるのだろうか。
訊ねたところで弱音を吐くはずもない慎吾。
それでも励ましたい。
2学期の始業式、慎吾が転校したことを知って学校がちょっと大騒ぎになったことだとか。
馴染みのパン屋の看板犬がローカル局の取材を受けたことだとか。
他愛のない話が続き、会話がふと途切れた瞬間。