愛してるの代わりに
「今日、仕事は?」
「オフ。2連休もらったから帰ってきたんだ」
「そう」
「雛は、大西とご飯行ってたんだって? さっき芽衣ちゃんから聞いたよ」
「うん」
「元気か? 大西」
「うん。相変わらずの毒舌美人っぷり」
「……想像できるな」
なぜだか言葉が続かない。
気まずい空気を打ち破ったのは、慎吾だった。
「昨日のことなんだけど」
「……うん」
「正直、びっくりした」
「うん」
「でも、嬉しかった。ありがとう」
「うん」
雛子が傷つかないように気を遣って言ってくれているのだろう。
慎吾の声色は優しく、言葉も棘がない。
でも次にくるのはきっと拒絶の言葉。
しっかりと受け入れよう。
子どもみたいに泣いちゃダメ。
きっと慎くん、困っちゃうから。
だからごめん、って言われても笑顔でわかった、って言わなきゃ。