愛してるの代わりに



「じゃあ、日程は1か月後のこの日ってことで」

未来が手帳の日付にマルをつけ、雛子も大きくうなずく。

ちょっと遅めの夏休みを取って二人で旅行をするのが、社会人になってからの雛子と未来のお約束になっていた。

思い切って海外へ行った年もあったが、基本的には2泊くらいの国内旅行がほとんどだ。

今日の集合は近況報告もあったが、メインはこの旅行の日程と行先を決めることだった。

「でも雛子、よかったの?」

「何が?」

「せっかくの夏休み、宮脇と過ごさなくて」

「慎くん忙しいし、行っても邪魔になるだけだもん。それに未来ちゃんとの約束の方が早かったんだから、優先するのは当たり前だよ」

告白から1週間しかたっていないのに、実を言うと今すぐにでも慎吾に会いたい。

でも雛子にそんなことを言える勇気がなく、結局は次の約束も出来ないままなのだ。

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