愛してるの代わりに
「そういえば翔さんと咲良ちゃんってお付き合いしてどのくらいなんですか?」
「私が高校卒業した年から付き合ってるから、かれこれ10年かなあ。でも私が翔のこと好きになったのはその前。15歳のとき」
咲良の告白に雛子と未来は目を合わせる。
「実は私が芸能界を目指したキッカケも翔なんだー。会いたいって気持ちが行動につながっていうか」
「へぇ」
「でも翔が、こう見えてもクソ真面目でさぁ。何度告白しても受け入れてくれなかったの!」
「そりゃそうだろうが、一応成人した大人が高校生と付き合えるかよ」
「ってことは、翔さんも実は咲良ちゃんのこと気になってたってヤツ?」
ぴしっ! と人差し指を立て、目を輝かせる未来。
「そ。手を出せないけど誰のモノにもしたくない翔さんは思いついたわけ。咲良ちゃんに男のウワサでもあれば男除けになるかなって」
「あー、それが高校時代に流れてた、アンタと咲良ちゃんが付き合ってるとかいう都市伝説?」
そう、それ。と昔を思い出したように苦い顔をする慎吾の目に、複雑そうな顔で話を聞く雛子が映った。
「ごめん、雛」
「ううん。全然。でも確かにその当時、ちょっとだけショックだったかな。でも今は気にしてないから」
心からの笑顔であることを確認して、慎吾もほっとした顔になる。