未知なる者へ
俗に言う『天才』的なレベルではなかったね。

お風呂に入って、たった30分くらいで、

たし算を軽々覚えてきたりすることはあったけど。

絵を書くというよりも、

字を書いたり、線画を書いたりするのが得意で。

『パパ』『ママ』とは書いても『ボク』はない所も、

『○』が必ず『△』になる所もあったね。

何かが欠けていたのかもしれないけど、

それを補えるだけのものを持っていたよ。

誰に対しても明るい笑顔で接していたね。

それが怖いヤクザ屋さんでも、ホームレスのおじさんでも。

だから、君の周りはいつも笑顔に溢れていたよ。

君の笑顔が人の笑顔を作る。

そういう場面を多く見てきたよ。

それもまた、未知の力の一つ。

笑顔にはバリアがない。

君はそれを教えてくれた……。
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