追憶のエデン
「訳が分からない?
そんな貴女の気持ちなんて、本当はどうでもいいのだけど……それじゃぁ、いたぶり甲斐が、ありませんわよね?」


「…なっ、何で…ッ…何でこんな事をするの!?
――ッ…ぁあああッ!!」



「少しでも動くと、とぉーっても痛いですわよ?ウフッ。
未羽さん、単刀直入に言って差し上げますわ。




――魂ごと、消滅して下さらない?



それも…屈辱的で…ぐちゃぐちゃに汚され…じわじわと……


痛みと絶望と迫りくる恐怖に怯え、苦しみながら――。」



氷の様な微笑みで、蔑む様にあたしを見下ろすアリシアさんが信じられなかった。



(あの時優しくあたしを抱きしめてくれた同じアリシアさんなの?)




「さぁ、始めましょうか?
貴女にとって地獄の様な時間を――。


本当に、馬鹿なイヴ。」


アリシアさんが真っ黒な竜巻に包まれれば、さっきまでブロンドに輝いていた髪は白くシルクの様な色に変わり、陶磁器の様な白い肌は褐色に、そして開かれた瞳は綺麗なブルーではなく、ピジョンブラッドの様に紅玉に変わっていた。
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